脳卒中の後遺症に痙縮と言うものがあります。
上肢は求心性の、下肢は遠心性の筋収縮が起こり強い筋肉のこわばりがでる事です。
これが長引くと拘縮となります。拘縮状態になると、筋肉が使われない(nonuse)事となり、廃用(disuse)になります。
筋肉は使われないことで、動かなくなり、体の一部分が廃用となってしまうのです。
2000年以前の脳卒中治療においては「安静にする」が常識でした。
この為、貴重な回復の期間(発症後三ヶ月目が回復が早い時期と言われます)を失い、強い拘縮を後遺症に持つ事が多かったようです。
現在では、リハビリテーションの研究が進み、脳出血でも出血が止まると直ぐにでもリハビリを開始します。
これは少しでも筋力が残っている間に体を動かし、拘縮を防ぐ為です。
私も急性期の病院でICUをでると直ぐにリハビリを開始しました。
電気刺激や磁気刺激(パスリーダー)、エアー加圧なども使い動かない手と足を刺激し続けました。
今私の問題として、麻痺手が少し曲がっています。上腕二頭筋の筋緊張が歩行の際に強くでるのです。写真の左手がそれです。
この筋緊張を取るためにボトックス注射はどうかと作業療法士に勧められました。
ボトックスは美容整形で有名ですが、脳卒中の拘縮対策にも使われます。発症から二年半を越えて、初めてボトックスと言う言葉が「私の治療過程」で出てきました。
確かに今も上腕部と前腕部に少し強い張りがあります。
今度主治医に相談してみたいと思います。