脳出血から生還~日々続くリハビリを記録

55歳の働きざかりで、脳出血で緊急入院。もう一度「ロードバイクに乗りたい」「ツールド東北に出たい」男の闘病記。

上肢の事

脳卒中(脳梗塞脳出血の総称)の残酷なところは、片麻痺と言う後遺症を残すことです。

この為、罹患した人の多くが、脳にダメージをおった部分と反対側の上下肢に痙性の運動麻痺が起きます。

上肢は求心性の痙性で、下肢は遠心性です。よく見る片麻痺者のデフォルトのポーズ、手を胸元に丸めるようなポーズは、痙性麻痺の現れです。

詳しくはわかりませんが、足を使った歩行は、脊髄が関与する反射運動が深くか変わってあるとされ、無意識の内にも歩けます。つまり、脳の関与が少ないと言えます。

対して上肢、特に手は細かな筋肉が多くあり、複雑な動作、作業をこなすので、脳からの指示により動くのです。

なので、脳にダメージを負うと上肢の回復が下肢に比べ遅くなる傾向にあると私は思っています。

上肢のリハビリの厄介なところは、様々な要因で肩に亜脱臼の症状が起きるため、その痛みが酷い事、そして亜脱臼と言う腕を支える筋肉が弱っている状態で、トレーニングが出来ないことにあります。

現在私は、曲がりなりにも何とか両手でパソコンが打てます。これは、急性期、回復期を通じオモニューレクサと言うドイツ製の上肢用装具を使ったからだと思います。

オモニューレクサ

一時期、回復期の病院で三角巾を使用し、上肢をきつく上体に拘束し、リハビリをしていましたが、これですと、肩や肘といった関節が全く動かず、所謂ノンユースからのディスユースに繋がるのを実感しました。

オモニューレクサは睡眠時も装着でき、亜脱臼の改善に大きく役立ちました。

 

私は下肢に付いては、回復期入院中ほぼ毎日飽きるほどスクワットをしたり、ベットで腰を上げる運動をしたり、沢山の運動をしました。回復がすごかったのでら担当医から毎日何をしているか、メモにしてくれと頼まれたほどです。

対して、上肢については、作業療法士から言われたこと以外なにもしませんでした。

細かい筋肉が多く、痛みが出やすい上肢は本当に割れ物に触るように慎重にする必要がありました。

 

退院後もオモニューレクサを使い続けましたが、健常時から通っていたプールで水中歩行の自主トレをはじめました。その際に水中で体を少し傾け、壁押しを取り入れました。痛いと思ったらすくやめました。

半年ほどして、肩の関節の開きが改善されて来ました。それと同時に手の動きも良くなり、対立運動もほぼ出来るようになりました。

 

退院後、youtubeでリハビリや歩行運動、脳卒中片麻痺の情報をあさりました。その時、片麻痺の人が腕立て伏せをするのを見ました。きっとこの人は麻痺の程度が軽いのだろう。僕には到底出来っこないと思いました。事実全く出来ないどころか、握力ですら7キロぐらいですし、亜脱臼が酷く腕を垂らしただけでも痛むことがありました。

しかし、オモニューを使い、プールでの歩行と壁押しを続けた結果、発症から四年過ぎた今日、腕立てが50解できるようになりました((苦笑)

 

尖足がきつかった足も上手く使え、プランクも出来ます。

リハビリ施設に研修に来た東北福祉大学の学生さんとプランク勝負をして、勝ったこともあります。肩が安定し、しっかり上体を支えられるからでしょう。

新野さんのは、リハビリの範囲を超えて、トレーニングだと理学療法士にも言われます。

 

いずれにせよ、決して諦めず、改善の方法を探り、地道に継続すること。これが回復のポイントです。