脳出血から生還~日々続くリハビリを記録

55歳の働きざかりで、脳出血で緊急入院。もう一度「ロードバイクに乗りたい」「ツールド東北に出たい」男の闘病記。

新しい入院仲間は、83歳の女性。

 
こちらの病院で、新しい友達ができました。
山野キクさん(仮名)。
昭和12年生まれの83歳。
やはり、私と同じく、左側に麻痺がある、脳卒中患者です。
このおばあちゃん、黒地に赤のペーズリーがらの
セーターを着て、ロマンスグレーのよく似合うマダムです。
とても明るく、彼女がいるだけで、ホールが笑いに満ちます。
話がとても上手。
倒れる前まで、プールに通っていて、
水泳は高校生の時から、ずっとやっている。
私より1か月早く発症しましたが、やはり年齢から、
回復はずっと遅いです。
本人も気にされております。
仲良くなり、いろいろお話を伺いました。
倒れて、病院で目が醒めて、
自分に麻痺が残った時に、御主人に思わず
「何で、あのまま逝かせてくれなかったの?」
と言ってしまったそうです。
とても楽しい人生だったし、すごく気を付けていました。
両親が脳卒中で亡くなっていたので、と言います。
キクさんは明るく、今日もお孫さんや息子さんの
話をしました。
早く帰りたいです、とおっしゃる。
年齢から、回復が遅く、どこまで戻るか、
分からないキクさんに、僕はかける言葉が見つかりません。
ですが、二人で楽しい思い出の話をしたり、
戦争の頃の話を涙ながら話してもらったりしています。
二人とも、頭はシッカリしていて、口は大丈夫。
少しでもお話をして、互いの気持ちを
明るくしたい、です。
今日うちの奥さんを見かけ、
かわいい奥さんですね、と言ってもらいました。
国内・海外と沢山旅行をした、と言うキクさんの
お話は、またの機会についてご紹介します。